「……私、本当はちょっと先生のことを恨んでます」
か細い声でぽつりと呟いた。
「なんで?」
「だって委員会決めの時、クラスメイトから押し付けられている私を見てもなにも言ってくれなかったから」
「言わねーよ。お前向いてるじゃん。風紀委員」
先生が自信満々に言う。
先生はいつもそう。行事ごとや決めごとの時はみんなに任せると言って一切口は挟まないくせに、私が迷ってる時にはまるでなんでも分かってるみたいに教師の余裕を見せてくる。
「お前は出来ることを避けてるだけで本当はすげえポテンシャルの持ち主なんじゃねえかって思ってるよ」
手のひらで上手く転がされてしまう敗北感。
少年みたいにドッジボールで洋服を汚してくるくせに、やっぱり先生は大人で、私の担任なのだ。
「ポテンシャルなんて、そんなの持ってわけないでしょ!」
このまま言い負かされてしまうことが嫌だった私は子供みたいにふて腐れながら歩きだした。



