そして学校へと続く桜並木が満開に咲いた三月。
「春の訪れを感じるこの良き日に私たち3年生一同は無事に卒業式を迎えることができました」
今日は卒業式。卒業生、在校生、保護者、来賓、先生たちの前で和谷先輩は堂々と答辞を読んでいた。
卒業生代表の答辞は立候補ではなく、同級生たちの推薦で満場一致で先輩に決まったらしい。
和谷先輩はいつも優しく誠実で、みんなが憧れていた。そんな先輩に相応しい門出の日。
私は教壇に立つ先輩の言葉をひとつひとつ胸に刻んで、答辞が読み終わると誰よりも大きな拍手を先輩に向けて送った。
それから三時間の卒業式が終わり、花道を通った三年生はお世話になった先生や仲のいい後輩たちと記念撮影をしていた。
「ご卒業おめでとうございます」
同級生や後輩から囲まれていた和谷先輩に、タイミングを見て私は声をかけた。



