それから家に帰って自宅のドアを開けると、玄関に見覚えのある二足の靴が並んでいた。
……あれ、なんで……。
私は慌てて明かりが付いているリビングへと急ぐ。そこにいたのはダイニングテーブルに向かい合わせで座っているお父さんとお母さんだった。
「おかえり。六花」
ふたりの声が綺麗に重なる。
「え、う、うん。ただいま……」
私は夢でも見てるのかな。
お母さんたちが一緒にダイニングテーブルに座っているのも、リビングに家族三人で集まったのもいつ以来だろうか。
状況が理解できずに目を丸くさせている私に、お父さんが「六花もこっちに座りなさい」と、空席を指さした。
テーブルは四人掛けだけど、自分の指定席は決まっていて、私はお母さんの隣に腰を下ろした。
「いつもこの時間に帰ってきてるのか?」
「う、うん。大体は」
「最近は日が短くなってきただろう。家の前は特に外灯が少ないから危なくないか?」
「平気だよ」
お父さんとの会話が久しぶりすぎて、私のほうがぎこちない。
お父さんってこんな顔だったっけ。こんな声だったっけ。
ずっと他愛ないやり取りでさえしてこなかったから、嬉しさで泣きそうになる。



