「っていうか、それって六花のことを見るいくみんの目が変わったんじゃないの?」
帰りのホームルームが終わって放課後。昼休みの出来事を菜穂に話すと、すぐにそんな返事が返ってきた。
「変わったって?」
私はテスト勉強を自宅でする為に教科書をカバンに詰めていた。
「なんか最近の六花は一皮剥けたって感じがするし、そういう変化にいくみんも気づいてるんじゃないかな」
たしかに先生は私のことを対等で見てくれているような瞳をすることが多くなった。
今までは先生の背中を追いかけるばかりで、なにを聞いてもなにをしても上手く交わされてきた。
けれど、今の先生は違う。
戸惑ったり、慌てたり、大袈裟に言えば大人の余裕が薄れた表情も見せてくれるようになった気がする。
「生徒からの昇格もあるんじゃないの?」
菜穂がニヤニヤしながら言った。
「ないよ。私、フラれてるもん」
きっとただの友達から、ちょっと心を許せる友達になっただけのこと。
とりあえず私は先生に呆れられないように、今は期末テストを頑張ろうと思う。



