先生と17歳のあいだ





……キィィと重圧な扉を開けた先にあったのは非常階段の踊り場。


そしてそこには、銀色の手すりに寄りかかりながらタバコを吸っている先生がいた。




「こんなところまで見回りなんて熱心だな」


先生はクスリと笑って、空に煙を吐いた。




「見回りは終わったので個人的にここに来ました」


「文化祭の最中に個人的にこんな殺風景なところに来ちゃダメでしょ」


「先生に禁断症状が出てる頃だと思ったので」


「はは、大正解」


先生が再びタバコを口元に近づける姿を見て、私はその横へと並ぶ。




「さっきは助けてくれてありがとうございました」


たぶん先生が来てくれなかったら私はあの強い力に押し負けていた。



「別にただクラスの客引きを手伝っただけだよ」


先生はそう言って、吐いた煙が私にかからないように顔を横に向けた。




文化祭は午前中だけですでに一般客は300人を越えたと言っていた。お昼のこの時間帯にかけて倍の人数は増えると言われているので最終的には1000人はいくと思う。


学校の敷地内を見回りして様々な人たちとすれ違ったけれど、私は誰ひとりとして目を奪われることはなかった。


なのに、今は先生の隣にいるだけで胸がときめく。




「……先生は今日、何人くらいの人から連絡先を聞かれましたか?」


「うーん。なんか俺、普通に歩いてると教師に見られないみたいでさ」



全然答えになってないけれど、きっとそれだけ一般客だと勘違いされてしまったということなのだろう。