先生と17歳のあいだ





アイスティーが飲み終わった頃、ファミレスの入り口のほうで声が聞こえた。



「いらっしゃいませ。お一人様ですか?」

「ちょっと人と待ち合わせてて。探してもいいですか?」



その声に私はドクンッと反応した。

確認するように席から顔を出すと、なぜかそこには先生の姿が。



……え、ま、待って。な、なんで?


私はとりあえず姿勢を極限まで低くして、通路側から見えないようにメニューでわざと目隠しをした。


この席はわりと死角だし、先生がそのまま気づかずに通りすぎてくれる可能性は十分にある。

けれどそんなことが先生に通用するわけもなくて、その足が私の席で止まると先生はひょいっとメニューを取り上げた。



「……なんで……来たんですか」


顔を上げない代わりに、自分から声を発した。



「なんでじゃねーよ。11時だぞ。補導される前に保護しにきてやったんだろうが」


チラッと横目で見た先生の顔はどこか不機嫌だった。先生の息は上がってないからきっと車を走らせてきたのだと思う。



先生に会いたくなかったくせに、先生に会えて嬉しいという気持ちがじわじわと胸を熱くする。



先生はため息をつきながら、私の前に座った。

すぐにタバコを取り出したけれど、ここが禁煙席だと分かり再びポケットに戻す。



正面に座っている先生の顔を直視できない。


私は普段、先生とどうやって話していたっけ?


先生を意識してることと、先生の顔を見たのが久しぶりすぎて、すっかり話すことが下手くそになっていた。