最近は少しだけ先生への気持ちが落ち着いてきて、やっぱり一時的なものだったのかもと思えていたのに……。
先生の声を聞いただけで、私はすぐに胸がざわざわとしてしまう。
『んー。別に。ただなにか怒ってんのかなって』
「……どうしてですか?」
『だって露骨に補習授業に来なくなるし、カメのことも気にしてこないし。なんか俺がマズイことしたんじゃないかってずっと考えてたけど分かんないから直接聞いたほうが早いなって』
……なにそれ。
補習は毎日行くとは言ってないし、先生からメールが送られてきたこともない。
ズカズカと言いたいことは言うくせに、そういうところだけ受け身になるのはズルいと思う。
……でも、本当はちょっと嬉しい。
先生の頭の中に私はいないと。きっと普段どおりの生活のサイクルをして、私のことなんて1秒も考えていないと思ってたから。
「……怒ってないですよ。ただあの日は本当に用事があって。それでプールとか行ったり色々と夏を満喫してて補習のことを忘れていただけです」
先生に抱きしめられてクラクラしたから帰った、とは言えない。
補習に行かなかったのは先生の顔を見ればドキドキして苦しくなるから、なんて絶対に言えなかった。



