先生と17歳のあいだ





そのあと数学準備室にあったものをすべて廊下に出して、床の汚れも隅々まで雑巾で拭き終わった。



「よし、じゃあワックスかけるぞ」


先生がどこかからプラスチックのバケツを持ってきた。中にはもちろんワックスが入っていて、これをモップに付けて床に塗っていくそうだ。



「ほら、マスクとゴム手袋。念のために一応しといて」

「はい」



私はマスクをして両手に少しサイズの大きいゴム手袋を装着した。


バケツの中にモップを沈めて、私はワックスを塗りはじめる。木目に沿ってモップを動かしているけれど、持ち手が長いせいか扱いが難しい。



「乾く前に踏むなよ。足跡つくから」


「これってどのくらいで乾くものなんですか?」


「今日みたいに晴れた日なら一時間くらいかな」


「そうなんですね。私、右側の床からやるので先生は反対からお願いします」


「りょーかい」



先生は何回も経験しているのかすごく手際がよかった。


私も最初は手間取っていたけれど、だんだんと慣れてきてなんだか楽しくなってきた。


ワックス掛けなんて滅多にできないし、モップをかけるたびに輝いていく床が気持ちいい。調子に乗って鼻唄まじりに作業をしていると……。
  


「おい」


先生に呼び止められた。