先生と17歳のあいだ




私は意識してるのがバレないようにと、片付け終わった床を雑巾で拭く。


物が置かれていた奥には埃が溜まっていて、その中にキラリと光るものを発見した。



「あれ、これって……」


私はそれを手のひらに乗せて確認した。



埃を被っていたけれど指先で綺麗にすると、銀色の携帯灰皿が顔を出した。

それは、先生が普段使っているものとまったく同じだった。




「先生」

呼びかけたけれど、先生は椅子を運んでいて私の声に気づかない。


私は立ち上がって先生の近くに行こうとした。すると、灰皿が太陽の光に反射してキラキラしていることに気づいた。


私はそっと灰皿の角度を変えて先生に光を当てる。
 

それを顔の前で左右に横切らせると、先生はすぐに私のほうを見た。



「なんだよ」


先生は眩しそうに目を細める。



「光のスピードって宇宙で一番速いので話しかけるより効率がいいらしいですよ」 
 

「へえ、それ考えたヤツ天才だな」 


「じゃなくて、これを見つけました」
 

天才という部分をスルーして、先生に落ちていた灰皿を渡した。