そういえば新学期を迎えると同時に教室や廊下やありとあらゆる場所がピカピカになっていることは知っていた。
でもまさかこうして教師たちが総出になってやっているとは思ってなかったけど。
すでに綺麗にし終わった部屋はワックスがかけられているようで、開けっ放しになっている窓を通じて独特の匂いが漂ってきていた。
「先生、片付けが終わる兆しが見えません」
物が多いとは思っていたけれど、これをすべて廊下に出さなくてはいけないなんてかなりの一苦労。
まあ、だから先生はこうして私を引き止めて手伝わせているんだろうけど。
「大事なものはあんまりないから適当に廊下に並べていいよ」
「大事じゃないなら捨てたらいいじゃないですか」
「捨てるほどいらなくもないんだよ」
「……もう」
私は文句を言いつつも、せっせと手を動かす。
先生はその間に重い本棚や机を運んでいて、別に私にフェチなんてないのに頼もしい腕をつい見すぎてしまった。



