先生と17歳のあいだ








それから数日が過ぎて、私はまた菜穂と一緒に補習授業を受けていた。いつものようにお昼前には終わり、菜穂は用事があるからとすぐに校舎を出ていった。


今日はコンビニでお弁当でも買って帰ろうとカバンを手に取った瞬間……。



「的井、ちょっと頼みたいことがあるんだけど」


郁巳先生に呼び止められた。



「な、なんですか?」

「このあと暇?」

「……予定はなにもないですけど」



すると、先生は不敵な笑みを浮かべて私の手を引っ張る。ドキドキしながら連れて来られたのは数学準備室だった。




「とりあえず的井は軽い段ボールから頼む」


「……はい?」


訳も分からずに部屋に押し込まれる私。


生徒たちが帰った校舎が途端に騒がしくなり、先生を含む教師たちの装いでなんとなく事情は察することができた。




「こういうのって業者の人がやってくれるものだと思ってました」


私は数学準備室にある段ボールを廊下に運びながら聞く。



「なんか体育館とかは業者に頼むらしいけど、こういう個別の部屋は自分たちでやれってさ。まじで面倒くせーよ」


先生とは思えないセリフ。


なぜ数学準備室を片付けているかというと、これからワックス掛けというものをしなくてはいけないからだった。