「まあ、年上って妙にカッコよく見えたりするから、それが恋愛感情なのかどうか微妙な時って私でもあるよ」
「城田さんも年上の人が気になったりしたことあるの?」
こんな話を誰かとしたことなんてなかったから、気づけば私の姿勢は前のめりになっていた。
「あるよ。私もどっちかっていえば年上に惹かれることのほうが多いし、元彼は社会人の人だったよ」
「そうなの?」
何故か心がスッと軽くなった。
自分だけじゃないんだって。年上の人に惹かれることはおかしいことじゃないんだってホッとした。
そんな安心感が露骨に表れていたのだろう。城田さんがクスリとしながら目の前のポテトに手を伸ばした。
「あのさ、今から六花って呼んでいい?」
家族以外に名前を呼ばれることなんてないから同性なのにドキリとしてしまった。
「これからこういう恋愛の話とかもできたらいいなって思ってるし、私のことも気軽に菜穂って呼んでいいからね」
「……な、菜穂?」
「うん。菜穂」
ニコリとされて私は恥ずかしくなる。
菜穂、か。まだ全然慣れないけれど、いつか違和感がなくなるくらいたくさん話して、たくさん名前を呼びたいと思う。
――『俺はお前に同級生の友達もできたらいいなって思ってるよ』
頭の片隅で先生の声が聞こえた。
先生にはきっとこうなる未来が見えていた気がする。
だったら、私が先生を意識してるっていう未来は?
私でもこれは予想外すぎてまだ心の整理がついていない。



