先生と17歳のあいだ





「やめてください。人の顔に光を当ててはいけないって学校で習わなかったんですか?」


「当ててない。横切らせてるだけだし」


「ああいえばこう言うんですね」


「だって光のスピードって宇宙で一番速いんだよ。話しかけるよりこうして光で知らせたほうが効率いいと思って」



きっと先生はプライベートのことを私が深く聞く前に話を逸らそうとしてる。

大人はいつもそう。都合が悪くなるとそうやってすぐ……。



「ほら乳酸菌」


先生は私にコップを差し出した。



「……カルピスと言ってください」


そう言い返しながらも私は素直に飲み物を受けとる。私だけに作ってくれたと思いきや、先生も同じカルピスを飲んでいた。



「先生でもジュースとか飲むんですね」


私の中ではすでにブラックコーヒーかお酒しか飲まないというイメージがついてしまっている。



「大人になったからって子供の味を忘れるわけじゃねーよ」


先生は私よりも早くカルピスを飲み干した。