先生と17歳のあいだ





ポジションの問題かもしれないけど、カゴに入らなかった玉が私の頭にどんどん当たってくる。


……たしか玉入れの玉って、お手玉と同じような素材が入ってるんじゃなかったっけ?


地味に痛いし、固いし、自分が投げたものはカゴに入らなくて散々。そんな中で、私が拾おうとした玉を先に誰かに拾われてしまった。




「下手くそ」


「……え?」


私の身体はスローモーションのように止まる。



玉入れの赤よりも濃い赤色のTシャツに、だぼっとしたスウェット生地のズボン。そして空色のスニーカーと、弛く結ばれた紐が瞳に映った。




「せ、先生?」



そう呼びかけた瞬間に「しー」と郁巳先生は人差し指を口に当てる。


先生は素早くいくつもの玉を空へと投げて、それらはすべて綺麗にカゴの中へと入っていった。