……和谷先輩って、やっぱり人気があるんだな。
そういえば100メートル走も断トツで一位だっだし、容姿端麗、頭脳明晰、スポーツ万能って、本当に欠点がないくらい完璧だ。
「的井さん」
「……わっ」
急に話しかけられて私はビクッする。
箸からすり抜けたウインナーをなんとか守り、声がしたほうを確認すると……そこには和谷先輩がいた。
「え、あ、あれ今……」
私が先輩を探していた女子たちを指さす。
「うん。知ってる。だから少しここにいさせて」
先輩はそう言って、私の隣に座った。
きっとさっきの子たち以外にも追われていたのだろう。先輩は「ふう」と、汗を滲ませて体操着の襟で何度も顔を扇いでいた。
「……先輩って、モテる人ですよね」
「うーん。年上ってだけで憧れてるだけじゃないかな」
先輩が苦笑いを浮かべている横で、私はハッと気づいたことがある。
……もしかして、私が先生のことを過剰に気にしてしまう理由はそれなんじゃないだろうか。



