この時期の午後6時はまだ薄ら明るい。

美沙達が通う高校の最終下校時刻は6時だ。

「6時って早いよね。 私はもっと部活したいな」


美沙は文句を言う。 バレー部である深雪にしたら授業が終わってからたった2時間くらいしかできないのは不満だ。

「本当だよな」

いつのまにか後ろからついて来た和樹だ。

「俺だってもっと部活したい。 でもさ、6時に帰らないといけないのってシタイカクシのせいだと思うんだよ」

「また、その話。和樹みたいに噂を信じた奴がいるからとかそんなオチでしょ」

美沙は鼻で笑い、和樹に対して毒舌が出る。