美沙にはその考えがよく理解できない。

出しても、結果が残らなければ時間やお金の無駄だと思う。

「そうですね、考えておきます」


「うん、分かったわ」

青田は美沙があまり出したくないのを察したのかここで話を終わらせた。

「美沙ー、帰ろ。」

美術室のドアをあけて顔を覗かせたのは深雪だ。

「もう6時ね」

「あ、青田先生いらしたんですか。気づかなかったです。すみません」

深雪は青田がいるのに気づかずいつも通り入ってきた。

「青田先生、さようなら」