「美沙さんは風景の絵が得意なの?」

突然美術部の顧問の青田に話しかけられた。


「得意というか…綺麗な景色を描くことが好きなんです」


「今度、自分の住んでいるところを描くコンクールがあるんですって。良ければ出してみない?」


青田は自分のスマートフォンからそのコンクールのホームページを開いて美沙に見せた。

「だ、出してみたいですけど…。 去年の大賞に選ばれた人の作品を見ると自信をなくしちゃうかなって」

「そう?美沙さんも毎日頑張って絵描いてるし、別に賞を取るのが大事じゃなくてコンクールに出すことが大事なんだと思うよ」