シタイカクシ

美沙は応募する気はないが描くとしたら何を描けばいいのか分からない。

田、畑、山、瓦の家しかない。 絵に映えるものがない。

「美沙入るわよ」

美沙の母が部屋に入る。美沙の母は洗濯後の服を持ってきた。

美沙の母は美沙のスマホの画面を見た。

「コンクールに出すの?」

「いや、考え中。 まず描くものがないし。田んぼ、畑、山しかないじゃん」

美沙がさっきまで考えていたことを伝えた。そしたら、美沙の母は笑い、「まだ高1なんだし、そんな本気で悩まなくたって。それに山や畑だって素敵だと思うよ」

「出すなら賞取りたいし」