シタイカクシ

美沙と和樹はその後は冴えない世間話をした。

「じゃあ、また明日」


「おぉ、じゃあ」
美沙が別れを告げ家に入った。


「美沙お帰り」

母が台所から声を出す。玄関からでも分かる美味しそうな料理の匂い。




「ただいま、今日の夕飯何?」

美沙は自室に鞄を置きながら訪ねた。

「今日はね、魚の煮付けとお味噌汁、かずくんの家から貰った漬物よ」

かずくんとは和樹のことだ。美沙も昔は「かずくん、かずくん」と呼んでいた。


美沙は制服を脱ぎ部屋着に着替えた。 そして母の手伝いをするため台所に向かった。