美沙達はシタイカクシの木がある山を通った。
いつもの薄気味悪い感じではなく賑やかな笑い声が聞こえる。
「この木ってマジ?うっせー親消せるってこと」
「こんな田舎まで通わせられる俺らの気持ち考えろって」
学校の不良集団の声である。学校でも馬鹿なことをして迷惑を掛けている。
彼らは、県庁所在地の方から通っている。つまり街中だ。
わざわざこんな田舎に通ってくるのは彼らが他に入れる学校しかなかったんだと思う。 受験では定員割れの学校、殆どが村の子、そこまで偏差値も高くない。
美沙達村の人々はそう言う人間をよく思ってない。
「あいつら本当にうるさいよね」
深雪がぼそっと呟いた。
「うん、本当に害でしかない」


