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栗栖くんについて行くと、栗栖くんが急に止まった。
目の前には、綺麗な一軒家。
えっと…。
ここが栗栖くんの家なのかな。…立派な家。
「…ついた。増田さん、どうぞ上がって」
「え、今さらだけど、本当にいいの?」
「うん。いいんだよ。本当に今さらだね…」
栗栖くんは少し笑った。…呆れたような困ったような笑い方だった。
「うぅ…。すみません……」
「気にしないで」
…そんなこと言うなら、最初から何も言わないでくれればよかったんじゃないでしょうか。
少々恨めしく栗栖くんを眺めたけど、もとはと言えば私のせいなので、眉間のシワをほぐした。
「お邪魔します…」
…クリスマスなんて特別な日なのに、家族の中なんかにお邪魔してしまってもいいのだろうか。いや、もう入っちゃったし、今さら引き返せないけど。
こういう時、テンション高めの栗栖くんのお母さんが慌てて出て来るのかと思いきや、結局誰も出てこなかったので、少し安心した。…どんな風に挨拶するか考えてなかったし。
「こっちこっち。ついてきて」
「はーい」
栗栖くんに促されるまま、私は栗栖くんの後ろをついて行く。
ついた先は、どうやらリビング。
…の、ソファーの上で、誰かが寝てる…。
「あー…。母さん、また酔い潰れてるし…」
「…大丈夫?」
「大丈夫。いつものことだから」



