聞いている方が、辛くなってきた。

「理人。もう、いいよ。」

「ううん。最後まで、聞いて。」


- 内田君。入学してきた時から、目をつけていたのよ。大丈夫。痛くしないから。むしろ、気持ち良くさせてあげるからね。-


「十和子ちゃんに、上に乗られて、なされるがまま。初めての体験だったのに、合意もなしに一方的にやられた。」

「そんなの、犯罪だよ!」

「うん。でもね、俺言えなかった。十和子ちゃんの人生、考えたら。」

「そんな!」


震えている理人と私の間には、大きな隔たりがあった。


「その時、どうやって耐えていたと思う?」

「……分からない。」

「この相手が、十和子ちゃんじゃなくて、由乃だったらいいと思った。」


私は、理人の頬に触れると、キスをした。