「行こう。」

理人の掛け声で、私達は家の中に入った。

靴を脱いで、玄関に上がると、理人が”おいで”と言わんばかりに、手を差し伸べた。


ドキドキした。

この手を掴んだら、私達はまた一線を越えてしまう。

「由乃。」

でももう、理人は切ない声で、私の名前を呼ばない。

愛おしいと言わんばかりに、優しい声で呼ぶ。


私は、この手を信じる。

理人の手を、私はぎゅっと握った。


想像していた通り、理人は廊下をすり抜け、階段を昇り、自分の部屋に、私を入れた。

そこからは、何も言葉を交わす事なく、私達はお互いを抱きしめ合い、キスをした。

何度も何度も、舌を絡め合って。

いつの間にか、制服を脱ぎ、下着も理人の手で、脱がされた。

まだ、こんなに明るいのに、理人に裸を見られるなんて。