「本当に?」

うんと私は頷いた。

「でも、ダメだって。私達は愛し合っちゃいけないって、心に蓋をしていたの。」

今度は、私の方が涙を流した。

「でも、もういい。理人の気持ちが、痛い程分かるから。もう、理人を拒まない。」

「由乃!」

やっと理人の顔に、笑顔が戻った。

「待ってて。今、カバン取ってくるから。一緒に帰ろう。」

「うん。」


私は、急いでゴミを捨てると、教室に走って行った。

理人が好き。

もう、この気持ちに気づいてしまった。

いけない恋愛でも、私と理人は、同じくらいの気持ちで、お互いを好きでいる。

いいんだ。

今は、この気持ちに真っすぐになっても。


カバンを取って、理人の待つ裏口に、私は急いだ。

理人は、笑顔で小さく、手を振ってくれた。