「どうしても、腑に落ちないな。友人として好きになれる関係なのに、好きになっちゃいけないって。」

ドキッとした。

「あの……あまり、深く考えないで。」

「相手に、彼女がいるとか?」

私達は、目をパチクリさせながら、見つめ合った。

「ふはははっ!」

「えっ、笑うとこ?」

私は涙を拭いて、思いっきり笑った。

「英吾。」

「ん?」

「有難うね。お陰で、元気出た。」

「うん?うん。」


なんだか、上手く言いくるめたようになったけれど、英吾のお陰で、吹っ切れた気がした。

これがおかしい事だって、理人にもう一度、言おう。

理人だって、私がこんなに悩んでいると知ったら、もう二度とあんな事はしないだろうって思う。

私は決心して、英吾と一緒に、屋上を後にした。