熱く秋文について語る塚本を見て、千春は少しだけ驚いてしまった。
 男性ファンからの秋文の褒め言葉を直接聞くのは初めてだったのだ。けれど、秋文の話をしているのに、千春が照れてしまう。
 自分の大好きな人がこんなにも褒められていることが、とても嬉しい。
 かっこいいだけではなくて、サッカーもしっかり見てくれるファンがいることが、誇らしく思えた。


 千春は自分の気持ちが隠せずに、ニヤニヤと照れるように微笑んでしまう。すると、それを見た塚本も微笑んだ。


 「本当に一色選手が好きなんだねー。すごい嬉しそうだ。さっきまで、悲しそうにどんよりしてたのに。」
 「え…………そんなに暗くなってましたか?」
 「あぁ。ここだけ照明がついてないかと思ったよ。」
 

 塚本の冗談を聞いて、千春は思わず「そんなに酷かったですかー?」と笑ってしまう。
 それを見た塚本は何故か嬉しそうに「よかった。」と言った。千春は、その言葉の意味がわからずに、不思議に思って彼を見つめた。