朝5時半、段々と空が白け始めた。
流石に初詣に来る人の波も一段落したからか、鈴木が受付に戻ってきた。

「よっ!」
「鈴木お疲れ!」

それでも何を喋っていいのかさっぱり分からなくて沈黙は続いてしまう。
沈黙から無理矢理に抜け出すために適当に思いついたことを話す。

「鈴木、さっきの人見た?」
「ええどんな人?」
「マジでスタイル良かったよ芸能人かな」

違う!

こういうことを話したいんじゃない。

でもさっきの言葉の意味を聞くのがすごく怖い。

ねぇ、私たちやっぱりこのままなのかな。
鈴木の言葉も偶然として消えてくのかな。