不意に手を取られてドキリとする。

「せっかく遠出したんだ。
 食事していこう。」

 目まぐるしい変化についていけなくて軽く目眩がした。

 高宮課長が何を考えてるのか、全くつかめない。
 嬉しい悲鳴なんだけど、なんだか幸せ過ぎて怖い。

 食事を済ませると行きたいところがあると連れてこられたのはどこかの駐車場。

「ここ、は?」

 質問を向けても高宮課長は何も答えてくれない。
 車を降りた高宮課長に続くように車から降りて、無言で歩いて行く高宮課長の後を歩いた。

 駐車場も車もまばらで、降りて歩いている道も街灯がほとんどなくて心許ない。
 高宮課長が手にする携帯のライトの光だけを頼りに歩く。

 自然と高宮課長へ体を寄せると手を握ってくれて、それだけですごく心強かった。