「期限、決めようか。
 春までには次に住むところ、決めた方がいい。」

 そういう突き放すような、、。

 そういうことを言うのなら「一夜の過ちだ。無かったことにしてくれ」って言えばいいのに。

 でも。
 私からは言ってやらないんだから!
 絶対に!!

「その間、高宮課長に好きになってもらいます!!」

「ほぉ。それは勇ましい発言だな。」

 悪い目つきをした高宮課長にギクリとすると距離を詰めた高宮課長が頬をそっと撫でた。

「仮にも付き合ってるんだ。
 その間は俺もそれ相応の振る舞いをさせてもらおうかな。」

 近づいてくる顔に体を固くさせると、フッと乾いた笑いを吐いた。

 だからそういう笑いをさせたいわけじゃなくて!!!

 そのまま近づいてきた高宮課長がまぶたにそっと唇を寄せて体を離した。

 赤くなる顔を抑えられなくて空いている手で顔を覆う。
 その間もずっと片方の手は握られたまま。

 恋愛上級者の高宮課長へ挑んだところで返り討ちに遭うのは目に見えていた。