「とにかく冷静になろう。」

 そう言われてシャワーを浴びることになった。

 恋なんてもううんざりだって思ってた。
 裏切られてボロボロになって男なんて誰も信用できない!って思ってた。

 それなのに………。

 シャワーを頭から浴びて高宮課長の動揺していた顔を思い出す。

 覚えてるわけ、ないか。

 溜息を漏らして壁に軽く頭を打ち付けた。

 冷静な高宮課長を動揺させたかったけど、今はそんなこと言っていられない。

 決意を新たにして浴びていたシャワーを止めた。