常日頃から自分が発言すると盛り上がっていた話題を止めてしまう自覚はあった。

 みんなで笑い合っていた話題に乗っかったつもりが私の発言で笑いをストップさせてしまう。
 そんなの日常茶飯事で私生活でさえ慣れない人達の会話では発言しないように心がけていたのに。

 素っ頓狂なことを言う内田がって高宮課長も言ってたのに、何を調子に乗って………。

 誰も何も意見しない中で高宮課長が付け加えるように言った。

「帰りたくなくなる夢の場所なのか、はたまた家に早く帰りたくなる場所にするのか。
 またはもっと斬新なコンセプトにするのか。
 それも含めて考えてきてくれ。」

 私の意見が認められたのか。
 分からないけど、周りを騒つかせたのは確かで心は萎んでいく。

「今更じゃない?」
 なんて話す声も聞こえて泣けそうだ。

「内田は俺と外回り。」

 高宮課長に声を掛けられて力なく立ち上がる。
 もう高宮課長と話す気力なんて残っていないのに。

 私は頑張れば頑張るほど空回りして惨めな気持ちになるだけなんだから、やめておけば良かった。