「嘘。真美ちゃんまでまさかの高宮課長推しなわけ?」

 愕然として手にしていたカフェラテをテーブルへ置いた。

「だって藤花ちゃん、高宮課長と住んでから毎日が充実してるって顔してるし、なんだか楽しそう。」

「楽しそうって………。
 だいたいもう恋とかそういうのは懲り懲りで………。」

 だから高宮課長には安心してた。
 そういうことがお互いにあり得ないから。

 その安心感が仇になったっていうの?

「男の人だって色んな人がいて、前の彼と高宮課長は全然違う人なんだよ?」

「それは、もちろん、そうなんだけど………。」

 つい何週間前に婚約破棄されてボロボロで飛び降りそうって勘違いされていたのに。

 ……寝食を与えられ、それに途中から食事は作らなきゃ高宮課長にも悪いからって自分で作るようになって。

 生活をしっかりさせなきゃ高宮課長に迷惑がかかるからって思ったお陰で最低限の元気は戻っては来ている。

 だからって………。

「どっちに転んでも藤花ちゃんの味方だからね。」

「え、あ、うん……。ありがとう。」

 優しい微笑みを向けてくれた2人に私も微笑みを返した。