テーブルに様々な料理が並ぶ。
前の時も突然押しかけたにも関わらずご馳走していただいて驚いたのに、突然じゃなきゃこんなもんじゃないと見せつけられた思いだった。
揚げ物から煮物にサラダ。
和え物もあれば刺身もある。
「これはまた今日は一段と豪華だね。」
菊池さんは朗らかに笑い、高宮課長は安定の笑顔ナシで手を合わせると「いただきます」と取り皿に取り分けていく。
高宮課長に気付かれないように愛梨さんと目配せをしつつ、私達も「いただきます」と料理を口にした。
「このメンチカツ絶品です。」
「そう?ありがとう。
意外と簡単なのよ。
後でレシピを教えてあげる。」
気さくな愛梨さんに脱帽する思いだ。
こんな人でも会社を辞めたくなる色々があっただなんて、、、。
複雑な思いで愛梨さんの横顔を見つめているとその愛梨さんがにこりと微笑みを浮かべた。
「これ。美味しい。」
高宮課長がこぼした感想に私も耳をそばだてる。
「そう。良かった。
俊哉くんはどうして藤花ちゃんに食事を作ってもらわないの?」
可愛らしい顔をしてストレートな物言いに些か面食らった。