「ほら。そういう心配が無さそうでしょ?
 高宮課長って。
 今回のことだって直属の部下が困っていたから保護してくれたくらいな気持ちなんじゃないかな。」

 そういう気持ちさえあるのが不思議なくらい女性はもちろん人に興味がないと思ってた。

「そうだね。
 いくらイケメンでも高宮課長だもんね。
 ロマンスが起きるものも起きなさそう。」

「ロマンスよりも何よりも藤花ちゃんは苦手だったよね?高宮課長のこと。
 一緒に住むなんて大丈夫なの?」

 2人には元婚約者に別れを告げられて訳も分からない頃からたくさん相談に乗ってもらっている。
 ただただ泣きじゃくる私の側に何時間もいてくれたり、本当に2人には感謝しかない。

 その上、アパートを解約してしまった私の今月末以降の住む先のことも心配してくれていた。

 真美ちゃんは実家暮らしなのに「うちに来る?」と誘ってくれたし、佳乃ちゃんは女子寮で「空きが出るまで狭いけど一緒に住む?」と誘ってくれた。

 ダメだなぁ。みんなに温かい言葉を掛けてもらえていたのに、あんな、一瞬だけでも飛び降りそうな哀愁を漂わせるなんて。