「なんだ。楽しそうだな。」
高宮課長が戻ってきて、話はそこで終わってしまった。
そこからもたわいのない話で終始和やかな時間を過ごした。
その時間がなかったら、いくら落ちていた私でも高宮課長のマンションまでついていくなんて芸当は出来なかったと思う。
彼の人間らしい一面を見たお陰だ。
実際、ほどよい距離感が驚くほど心地いい。
「鬼の目にも……涙、かな?」
長くいるつもりはない。
少しだけ。元気を充電させてもらって、次のアパートを探せるまで高宮課長のお言葉に甘えようと思っていた。
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