「言い訳させてもらえるなら、このマンションは俺1人で選んでる。
 浮気して相手にご執心だった彼女は新居を選ぶことすらしなかった。
 ここに住んでることは知らないから、ここへ戻ってくるなんてことはあり得ないよ。」

「……でも『みー』って私のこと……。」

「それは、本当に、、酔った勢いで。
 それをどう説明すれば信じてもらえるのか、、。
 似てると思っていたのと、笑って欲しいって藤花が言ったから。」

「え………。」

「彼女に言われたことがあったんだ。
 俺は笑わないねって。
 私が隣にいて笑わせてあげるって、な。」

 同じことを言っただなんて………。
 やっぱり、私は身代わりにしかなれないの?

「最初は似てるから惹かれたくせに同じことを言われて柄にもなく動揺した。
 それで深酒をして、酒に飲まれた。」

 乾いた笑いを吐いた高宮課長は思わぬことを口にした。