「内田には恋人がいて、結婚すると言う。
 可愛い部下が幸せならそれで良かった。
 ただ、、なんの因果だろうな。
 相手があいつだって知った。
 俺達は、、俺達4人は昔、会っていたんだ。」

「会って?」

「あぁ。
 お互いにそれぞれの恋人といる時に。
 それでお互いの恋人はそこで惹かれあって浮気に発展したようだ。」

 胸が苦しくなって顔を俯かせた。
 お互いの恋人が浮気をするきっかけになった場所で出会っていたなんて……。

 どうしてこんな出会い方しか出来なかったの?
 もっと高宮課長と別の出会い方をしていたら………。

「それからは、、。
 まぁ内田も知っての通り、かな。」

「じゃ知ってて私をここに住まわせたんですか?
 その、憎い相手の婚約者だった私を。」

 静まり返った部屋で胸の鼓動がやけに煩わしく感じた。
 復讐の為に住まわせた。
 そんなことする人じゃないって信じたいのに………。

「知ってたよ。
 知ってて、放っておけなかった。」

 それは厚意から?
 それともやっぱり復讐のため?

 私の考えを読んだように高宮課長は私へ質問向けた。