「高宮課長って………。」

 お昼休み。
 約束していた佳乃ちゃんに加え、真美ちゃんも呼んで3人仲良くランチに来ていた。

「大人の悪い男だね。」

「悪いって……。否めない。」

 首元に手を置いて顔を熱くさせる。
 ブラウス越しにあるそこには赤い印がつけられている。

「それって元彼に見せつける為にわざとでしょ。」

「!!」

 そう言われて初めて気がついた。
 何かに驚いて表情を変えた晴真。
 それはこの首元を見たせいだったんだ。

「それってヤキモチだし、所有欲でしょ?
 俺のモノだって見せつける為につけたとしか思えないもん。
 高宮課長って藤花ちゃんのこと、好きなんじゃないの?」

 佳乃ちゃんが相変わらずの意見を口にする。

「そんなわけないよ。
 だって、忘れられない女性を奪った相手の元婚約者だよ?
 憎いに決まってる。」

「藤花ちゃんは関係ないことくらい高宮課長なら分かってるよ。」

 真美ちゃんは冷静に話を整理してくれる。

 確かに高宮課長の普段のイメージからはそう思える。
 けれどあの酔ってしまっていた時のことを思い出すと………。