三連休明けの出勤はテンションが上がらない。
 その上、高宮課長との関係も前よりも複雑で目を背けたくなるようなものに変わってしまった。

 お昼、真美ちゃん、佳乃ちゃんとランチに行って聞いてもらおうかなぁ。

 そんなことをぼんやり思っていると「おはよう」とわざとらしく高宮課長に声をかけられた。

「おは、おはようございます。」

 うわ。天敵の登場に噛んじゃったよ……。

 高宮課長はと言えば薄眼をさせて「自分で仕掛けておいて心配になるわ」と溜息を吐いた。

「何がです?」

「いや、悪い虫が飛び交ってるよなぁと思って。」

「おはようございます。」

 佳乃ちゃんの登場にナイスッ!と心の中で声を上げた。
 今は高宮課長と二人になりたくない。

 いくら話せる関係に戻れたからと言って、今はまだ心の整理がついていない。

「藤花ちゃんもおは………。
 !!!!!
 ちょっっっとパウダールームに寄ってから職場に行かせていただきます。」

「パウダー?」

「いいから。行くよ。藤花ちゃん。」

 強引に連れて行かれて半笑いした高宮課長が「あぁ。よろしく頼むよ」とよく分からない返事をした。