本物の狼がどうだかは知らないけど、想像の中では気まぐれな狼に捕まえられた獲物の気分だった。
獲物を味見するみたいに毎日舐められる。
今日は食べ頃か、まだ早いか。
食べ頃だと判断されたら食べられてしまうのだろうか。
本当に頭からかじられて腹わたまですすられそうな凄惨な情景を思い浮かべて身震いをする。
そんなあり得ない想像をしてしまうくらい高宮課長の行動は理解できなかった。
高宮課長の元婚約者の浮気相手。
私はその浮気相手の元婚約者。
どんな因果かって思うけれど、ここに自分がいるのはそのせいで、こうして恐怖を植え込まれるのも、きっとそのせいだ。
『復讐』
その言葉に囚われて高宮課長に向かい合えずにいた。

