「楓は、お子ちゃまだからなぁ…あ、寺崎の誕生日知ってるでしょ?幼なじみなんだし。楓の誕生日だって、知ってたわけでしょ?」

「それが…」

そう言って苦笑する。

「寺崎は知ってるのに、楓は知らないとか言うんじゃないでしょうね?」

「…ビンゴ」

…そうなのです。うちの両親と仁の両親は大の仲良し。勿論、子供たちの誕生会は必ず開いていた。

…でも。仁の誕生日に限っては、『クリスマスと近いから』と言う理由で、毎年12月25日に行っていた。

12月だと言うことはわかっているのだが、本当は何日なのか、私だけが知らない。

友美に言われて、両親に聞いてみたが、『あれ、そういえば何日だったかしら?』と、言われる始末。

流石に、仁の両親には、聞けず。本人に聞くなんて、絶対できない。

仁は必ず怒るだろう。

『そんなことも知らないのか』と。

…どうにかして、それを知り、プレゼントと共に、

『好き』

の一言を言う決意をした。


タイムリミットまで、数ヶ月。