それともなに。


「じゃあ聞くけど。君は今、不幸なの？」

「え……」

「リョウへの愛情が恋愛感情ではないと再確認させられて。挙げ句の果てに僕に恋して。変なアドバイスに従ったせいでこんなにも不幸になったって後悔してるわけ？　だから黙って見てられない？」

「そんな……ちがう……」

「不愉快だ。消えてよ」

「っ、」


返す言葉のなくなった青葉が嵐のように店を飛び出た。


見ず知らずの他人のために意地になるなよ。


「あーあ。怒らせちゃった」


マスターが嬉しげに言う。


「君が余計なこというからだろ。だいたい青葉をここに呼んだりなんてするから――」

「俺の店に誰呼んでも勝手だろ。それに青葉ちゃんとは、友達になったからねえ」

「オッサンがJKと仲良くならないでよ」

「青葉ちゃんがいたら困るのか？」

「青葉は……。青葉がいると、調子が狂う」