「もういい! あの子はわたしが助けてあげます!」
は?
「いい? イズモくんは、なにもしないで」
「僕の客を横取りしようっての?」
「不幸にされそうな女の子を放ってはおけないもん」
「人聞きの悪いこと言わないで。ちゃんと言うとおりにしたらあの子だっていい夢みれるんだ」
「そんなの信用できない!」
まあ、するけどね。最終的には不幸に。
でもそれは彼女自身の至らなさあってだよ。
無謀な片想いを僕に頼って叶えた女の子が恋を育てるためには、本人の努力が必要不可欠なんだ。
金で買ったアドバイスだけで乗り切れるわけがない。
逆に、本人の頑張り次第で破滅せずに済む。
そんなこと考えたこともなかったけどさ。
青葉。
君が、証明したんじゃないか。
片想いの先には絶望しない道もあるんだって。
今そうやって怒ったり笑ったりしてることが君の幸せな未来じゃないか。


