「そっか。男心を理解しての、アドバイスだったのか。だけど依頼人が困るような態度とるのはビジネスとしてどうなの?」

「青葉に僕の仕事のやり方に口を出す権利あったっけ?」

「な……い、です」

「だったらこれ以上話し合っても無駄だね」

「たとえ彼女が片想い相手を……その……ホテルに誘ったからといって。両想いになれるんですか?」

「可能性はないこともないけど。限りなく低いね。忽ち『都合のいい女』になる」

「だったら……! 最悪のアドバイスじゃないか」

「勘違いしないで、青葉。僕が彼女から受けた依頼は『認識されたい』だ。なにもイジワルを言ってるわけじゃないよ。そのためのアドバイスの一つとして提案をしたにすぎない」

「だからって、あんまりです。一千万なんて……」

「明らかに無理ゲーじゃん。だけど僕なら100%叶えられるよ。人生が変わるんだ。全身整形すること考えたら、安いものでしょ――」