青葉が僕の言葉に瞳を揺らすもんだから

言い切ってやろうと思ったのに言葉が霞む。


「と、とにかく。さっきのアドバイス酷いよ」

「盗み聞きしないでよ。プライバシーの侵害だよ」

「そっ……れはそうだけど!」


認めるのかよ。


「なんか最初から冷たかったし。挙げ句の果てに、そんなとこに誘えだなんて。恋する女の子の気持ち全然わかってないじゃん、イズモくん!」

「そんなとこって?」

「だから、ホテ……」


途中まで、というかほとんど言いかけたあとに顔を真っ赤にさせて口をつぐむ青葉。


「ほんとに縁結びの神様なの?」

「それは誰かが僕に勝手につけた異名でしょ。保証しかねるね」

「カップル誕生させてきたって。本当に?」

「もちろんさ。数え切れないくらいにはね」


そしてその恋が散るとき。

僕は、ようやく食事にありつけるんだ。


「空気読めないし口悪いしアドバイスも不適切だし。とてもじゃないけど信じられない」


アドバイスが不適切?

どこが。

要点は十分に伝えてやったろ。


「信じてもらわなくていいから、帰ってよ」

「さ、サイテー!」

「ふうん。最低か。でも、そんな僕を好きになったのは誰?」