「ファンクラブで購入した彼の生写真やポストカード、チェキ、トークイベントのチケットその他諸々……」

「燃やしてしまえばいい」

「えええぇぇえ」


ああ、そうか。

君のメンタルは『キョウヤ様』のことになると、すごい削れちゃうんだね。


僕からの罵倒なんてそう堪えてないのに。


「まあ、手元に置く分には好きにすればいいよ。あくまで彼から見た君の印象がファンだと具合悪いってハナシだから」

「燃やさなくていいんだ!!」


復活するのはやいな。

っていうか燃やしてしまえばいいなんてジョークに決まってるでしょ。


「ああ。それから、認識されたあとは学校以外の場所で会うことを考えていこう」

「ええ!? いきなり学校以外の場所、ですか?」

「そうさ。本人が王子キャラであることに乗り気かそうでないかは、僕にはわからないけど。その仮面を剥がせるのは、学外の方が可能性ずっと高いからねえ」

「キョウヤ様……あっ……、キョウヤくんと学校の外で会うなんて敷居が高いです」

「なに言ってるの。恋人になりたい人間が、そんなんでやっていける?」

「ハッ……! たしかに」


大丈夫かな、このひと。


「まあ。とりあえずは――僕が手伝うのは認識させるとこまでね」

「課金します……!」


まいどあり。


「一千万は無理ですが」

「ああ、それはあくまで、さっきまでの君を見たおおよその概算だよ。君次第でいくらでも変えてあげる」

「さすが縁結びのカミサマァ……!!」

「あんまりウザいと二千万になると思っててね」

「ウッ」