「話、聞いてもいいよ」

「ほんと?」


今度はすがるような目で見てくる。


自分に都合のいいことには、こうもあっさり食いついてくるんだなあ。


赤の他人である僕に、なにを期待しているか。

そんなこと考えなくてもわかる。


あとはその欲望につけこめばいいだけ。


「初回に限り相談料は、無料。以後は契約金を支払ってくれるなら話を聞こう」

「え、お金かかるの?」


目を丸くした少女を見て、落胆した。

これだからガキは。


ゲームも漫画も無料で楽しめる時代だ。

なにもかも、というわけにはいかないものの課金せずとも暇つぶし程度の娯楽いくらでも転がっている。


『タダ』に慣れている彼女たちは、目に見えない商品に金を支払うことに慣れていない。


だから、ある意味この反応は素直ではあるが。