考えるよね。考えちゃうよね。

全財産。

かけられるだけ投資したくなってきたよね?


借金してでも僕に頼る人はいるよ。

いい大人が。それも、大の男が。

僕に大金をはたいたり。

泣いてすがるのは、結構な見物だよ。


「まさか君だけの力で彼が振り向くとか自惚れてないよね?」

「そんな……ことは、少しも思ってない」


揺らいでる揺らいでる。

思ったよりメンタル強そうだな、この子。


「君の学校で、王子はみんなのものなんだもんね。そのルールを無視して。抜け駆けして。ズルいねー、君」

「だって……だって、好きだから!」


『好きだから』ってすごく便利な言葉だよね。

好意があればなにやってもいいのかなー。


好意と悪意は紙一重だと思わない?


「僕に任せられないなら、どーぞ扉からお帰り下さい。ドリンク代はサービスするよ」


なーんて。


(そろそろかな)