「年は」

「30」

「倍くらい違うね」

「だからやめろと。あなたもそういうんですか?」


誰もそんなこと言ってないでしょ。

あと喧嘩腰はやめてほしいなあ。


あまり生意気な態度とらないほうがいいよ。

相談聞く以前にコロしたくなってくるから。


「失礼致します」


僕の殺気でも感知したかのように、マスターが飲み物を運んでくる。


「これは……?」

「ホットミルクティーです。あたたかいものでも飲んで落ち着いてください。店内冷えるでしょう? 温度を上げましょうか」


それは遠慮して欲しいね。

ここは、僕からしたらまだ熱いくらいなのに。


「あ、大丈夫です。ありがとうございます」

「かわいらしいお客様への特別サービスです」


ああ、またこの男は

息を吐くように嘘をついて。


僕の客が君に惚れるなんて前列もあるんだ。

キザも程々にしてよね。